―――というのを今日思い出した

エーテルの蒸気に顔を背けると、窓の外に目を奪われた。雨が降った後の空に太陽の光が射し、そこにはっきりと濃い虹が現れていた。さらによく見ると、虹が二つ重なっているようで、十以上のいくつもの色が層を成していた。虹を辿って目線を下へ向けると、それは目と鼻の先にある学部敷地内の木々の間に刺さっていた。綺麗だった。でも、感動はしなかった。見つからない方がいい探し物もありますね。